フットボールチャンネル

カタールW杯ベストイレブン! 優勝アルゼンチン代表から3人! 大舞台で輝いた世界最高の11人

シリーズ:カタールW杯ベストイレブン text by 編集部 photo by Getty Images

MF


【写真:Getty Images】


MF:ソフィアン・アムラバト(フィオレンティーナ/モロッコ代表)
生年月日:1996年8月21日
今大会成績:7試合0得点0アシスト

 モロッコ代表が成し遂げた、サッカー界の歴史に残る大躍進にソフィアン・アムラバトは欠かせない。

 4-3-3のアンカーのポジションに入ったアムラバトは、中盤の底で抜群のポジションでインターセプトを狙い、球際では激しいタックルでボールを奪い続けた。そしてボールを奪ってからは馬力のあるドリブルで持ち運んでカウンターの起点にもなっていた。

 アムラバトの持ち味は相手が強豪になればなるほど発揮された。特に際立っていたのがスペイン代表との決勝トーナメント1回戦だ。相手にボールを8割近く握られる厳しい展開で、アムラバトはスペイン代表の前に立ちはだかった。チーム最多タイの4回のタックル成功に、地上戦勝利数は7分の7と、完全に中盤を制圧。彼が凄いのは、これだけ球際に強い上に、全7試合でフル出場したのにも関わらず、イエローカードを1枚しか貰っていないことだ。そもそもファウルの数が少なく、相手から完璧にボールを奪うため、多くの展開でマイボールにすることができていた。

MF:ルカ・モドリッチ(レアル・マドリード/クロアチア代表)
生年月日:1985年9月9日
今大会成績:7試合0得点0アシスト

 MVPを獲得した前回大会ほどのインパクトではなかったが、ルカ・モドリッチは37歳と大ベテランとなった今でもその実力を遺憾なく発揮した。

 そのサッカーIQの高さは、もはや“異常”であり、微妙にポジショニングを調整することで常に相手の嫌なところでボールを受けて、ハイプレッシャーも難なく突破してパスを捌いていた。守備時もこれだけの年齢を重ねていながらも一切サボることなく、攻守の切り替えの部分でも存在感を発揮していた。

 今大会のワールドカップは冬季開催ということもあり、例年以上にタイトなスケジュールが組まれていたのだが、そんな中でもモドリッチは全7試合で先発出場した。延長戦までもつれた試合や大勝した試合は温存のために途中交代となったが、全試合で80分以上出場する中盤の大ベテランとは思えない稼働率でチームを牽引した。

MF:アレクシス・マック・アリスター(ブライトン/アルゼンチン代表)
生年月日:1998年12月24日
今大会成績:6試合1得点1アシスト

 カタールワールドカップを制したアルゼンチン代表だったが、その道のりは決して楽なものではなかった。グループステージ初戦ではサウジアラビア代表に1-2で敗れている。この悪い流れを払拭したのがマック・アリスターの先発起用ではないだろうか。

 敗れたサウジアラビア代表戦では出番がなかったが、続くメキシコ代表戦で先発起用されると、以降全6試合でスタメンに名を連ねた。決勝トーナメントに進出するためには勝利が必須だったポーランド代表とのグループステージ第3戦では先制ゴールを叩き込み、フランス代表との決勝戦ではアンヘル・ディ・マリアのゴールをアシストしている。

 このディ・マリアのゴールはアルゼンチン代表の素晴らしいカウンターから生まれたのだが、この場面を代表するようにマック・アリスターの抜群の走力とフリーランニングなどの「オフザボール」の動きはチームに違いをもたらした。ボール保持時の縦パスやワイドへの展開の質も抜群に高く、彼と守備時に汗かき役となってピッチを駆け回ったエンツォ・フェルナンデスがスタメン起用されてからアルゼンチン代表の流れは完全に変わった。

MF:アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード/フランス代表)
生年月日:1991年3月21日
今大会成績:7試合0得点3アシスト

 4得点4アシストを記録した前回大会では“主役”だったアントワーヌ・グリーズマンだが、今大会はプレースタイルのマイナーチェンジで“黒子”としてこれ以上ない活躍を披露した。

 実際に今大会は一度もゴールネットを揺らさなかったのだが、その代わりに4-2-3-1のトップ下のポジションで圧倒的な運動量で前線から守備を行い、ビルドアップ時にはライン間でボールを受けるディフェンスラインと前線の繋ぎ役として大いに機能した。

 3アシストはメッシらと並んで今大会最多タイであり、「シュートに繋がったパス」の指標である「キーパス」はメッシを上回る22本を記録。3位のテオ・エルナンデスが11本ということを考えるとこの数値は凄まじく、グリーズマンの陰でのチームへの貢献がよくわかるスタッツとなっている。決勝戦では戦術変更の影響で71分という早い時間でベンチに下がったが、それ以前の6試合ではエムバペ同様にチームになくてはならない存在だった。

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!