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華麗なパスワークがないのもアルゼンチン代表らしさ。伝統のスタイルで決勝へ【カタールW杯】

シリーズ:分析コラム text by 西部謙司 photo by Getty Images

畳みかけるアルゼンチン代表と修正を施すクロアチア代表



 アルゼンチン代表が畳み掛ける。38分にはクロアチア代表のCKからの攻撃をクリアすると、メッシがアルバレスへつなぎ、アルバレスがハーフウェイラインの手前から一気にドリブルで駆け抜ける。

 ヨシプ・ユラノビッチが対応して足下から離れたボールをつついたが、これがアルバレスの足に当たって跳ね返り、カバーに入ったボルナ・ソサのキックはタイミングが合わずにこれもアルバレスの前にこぼれる。そのままアルバレスが2人を突破する形でゴールして2-0とリードを広げた。

 クロアチア代表にとってはやや不運な失点だが、アルバアスの推進力がもたらしたゴールでもあった。アルバレスの勢いにDFが後退しながらの対応だったことで蹴り返すに至らず、ことごとくアルバレスの前にボールがこぼれている。先制後に受けに回らず、勝負をつけにいったアルゼンチン代表の意欲が実った。

 ハーフタイムに2人を交代、さらに後半開始5分でマルセロ・ブロゾビッチに代えて長身FWブルーノ・ペトコビッチを投入したクロアチア代表は4-2-3-1にシステムを変え、左ウイングだったイバン・ペリシッチを左SBとして攻撃的な構成に。

 アルゼンチン代表は61分にレアンドロ・パレデスをリサンドロ・マルティネスに交代してシステムも5-3-2に変更。反撃を抑えてカウンターという構えになった。

 69分、右サイドのスローインからメッシにボールが入る。グバルディオルを背負いながら、メッシはずるずるとペナルティーエリア内まで運ぶとグバルディオルのマークをはがしてゴールライン際から右足で短く戻し、詰めたアルバレスがそつなくゴール。ダメ押しの3点目となった。

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