この難問の解決策は…
実際、モロッコ代表はスペイン代表戦の最初の笛から最後の笛まで自分たちの力を出し切り、冷静にPKを決めて史上初の準々決勝進出を果たした。GKウナイ・シモンを打ち破るアクラフ・ハキミのパネンカキックは、この先何十年も語り継がれることだろう。
そういったやり方、信念が必要だ。スペイン代表やベルギー代表、クロアチア代表と同じように、ここが自分たちの舞台だと信じなければならない。
この難問に簡単な解決策はない。それがあれば、この状況は存在しない。一度そのハードルを乗り越えてしまえば、また簡単にクリアできるようになる。しかし、それを乗り越えるには、フォーメーションやパス回数の多さ、xG(ゴール期待値)というより、むしろ姿勢が重要で、それを教えることは非常に難しい。選手たちが口にする「敗北から学ぶ」という陳腐な意味以上のものとして、経験することで身につく。
日本代表が次のステップに進むためには、誰が監督か、誰が青いシャツを着ているか、どのようなシステムでプレーするかということだけに焦点を当てるべきではありません。もっと深く考えなければならない。
選手やコーチが、サッカー的な意味でも、人間としても、どのように育てられ、どのようにチャレンジし、どのようにピッチに立つのかが重要なのです。サッカーを初めて蹴るときから、気迫と意欲と傲慢さが必要なのです。それがない限り、他の国々に差をつけられてしまう。
(文:ショーン・キャロル)
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