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サッカー日本代表を舐めていた。「ドイツにいたからわかる」ドイツの敗因【酒井高徳に訊く(1)】

シリーズ:酒井高徳に訊く text by 加藤健一 photo by Getty Images

「いつもと比べてなかった」動きとは?



――ドイツ代表自体がうまくいってなかったということですか?

「明らかに本来のドイツ代表ではなかった。ドイツって(国内)リーグでもそうなんですけど、前後半の最初と最後で、怒涛の攻撃を仕掛けるチームが多いんですよ。他のリーグでもよく言われることかもしれないですが、ドイツは特にこの10分で相手を意気消沈させようというのが強い。でも、試合開始からそれを出せなかった時点で、『あれ?』と思った。」

――マヌエル・ノイアーやトーマス・ミュラーといった優勝メンバーがいる一方で、ジャマール・ムシアラやカイ・ハフェルツなど初めてワールドカップでプレーする選手もいます。初戦ということで、固さがあったのでしょうか?

「(ミュラーやノイアーのように)あれだけの経験をしている選手だったとしても、初戦は慎重に入りたいと思う。でも、逆にそういう固さがあるんだったら、なおさらアグレッシブに行かないといけない。それなのにあえて落ち着こうというスタンスで入ってしまった。始まって最初の10分で今日のドイツ代表はダメだと思いました」

――日本代表はディフェンスラインをそこまで上げず、スペースを埋めるような守備をしていました。そういった日本代表の出方もドイツ代表に影響を与えていましたか?

「日本代表もプレスがあまりはまらなかったのもあって、ドイツ代表はボールを持つことができた。でも、ボールを回しているときに、ドイツ代表は本来の相手の裏を突く動きだったり、前にどんどん流れ込んで前を向く動きがなかった」

「特に(セルジュ・)ニャブリはその傾向が強くて、いつもならボランチがボールを持ったときに裏を狙うんですけど、この試合では長友(佑都)くんに詰められてバックパスしていた。バイエルンとかドイツ代表の選手って相手に引かれても裏に走るし、スペースに出すんですよ。ペナルティーエリアの中でもロブパスを出すシーンというのは嫌なくらい見てきた。でも、それが前半はほぼなかった」

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