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ネイマールはガリンシャからペレに。近年最高のブラジル代表、強さの理由とは?【カタールW杯】

text by 編集部 photo by Getty Images

ブラジル代表らしくない?


 DF陣に負傷者続出とあって、チッチ監督はDF中心に交代カードを切っていく。ミリトン→ダニエル・アウベス、ダニーロ→ブレーメル。これ以上、負傷者を出したくない。攻撃陣ではヴィニシウスとネイマールを下げて休ませ、第3GKウェベルトンを起用する余裕もみせた。

 ただ、韓国代表も劣勢から攻撃に転じて4つの決定機を作っている。47分にソン・フンミンが得意の角度から狙った一撃はGKアリソンが肩に当てて防いだ。得点になってもおかしくない場面をアリソンがことごとく潰していて、世界最高クラス存在感をみせていた。歴代のブラジル代表でGKの印象はそれほど強くないが、1958年初優勝時のジウマールは世界トップクラスの名手だった。今大会はアリソンとエデルソンがいてGKも磐石である。

 76分にペク・スンホの豪快なミドルが決まって韓国代表は1点を返したが、力の差はいかんともしがたくブラジル代表の快勝。

 SBの負傷欠場を除けば、すべてのポジションが揃っていて、それぞれが伝統を踏まえたプレースタイル。一方で、守備の献身性と組織力もあって攻守に穴がない。ウイングが強力なので、SBが無理にオーバーラップする必要もなく、その点はブラジル代表らしくないのだが、カウンターを食らう弱点もない。近年では最高の完成度といえる。

(文:西部謙司)

【了】

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