伊東純也にとって追い風となるのは?
本人がこう説明しているように、守備に奔走する中でもワンチャンスをモノにしようと虎視眈々と狙っているあたりは、まさに生粋のアタッカー。低い位置に押し込まれたドイツ代表・スペイン代表相手でもそういった姿勢を忘れなかったのだから、クロアチア代表を相手にしてもいざという時には思い切り出て行けるはずだ。
「フォア・ザ・チーム精神」を第一にしつつも、もっともっとゴールに絡む仕事をしたいと本人も考えている。実際、4日の取材対応でも「もうちょい攻撃したい」と偽らざる本音を吐露していた。
「ドイツとスペインとの2試合では、高い位置でボール持ったことがほとんどなかった。コスタリカ戦はちょっと別ですけど、やっぱり高い位置で受けたらやっぱり仕掛けたいな。クロスまでは絶対に行きたいなと思います」と伊東は野心を口にする。それが最終予選で4ゴール・2アシスト・PK奪取と全12ゴールの半分以上に絡んだ男の真髄なのだ。
今大会唯一のクロアチア代表の失点であるカナダ代表戦開始2分のシーンを見ても、カナダ代表の右サイドから上がったクロスから得点が決まっている。
クロアチア代表の左サイドバック(SB)を務めるボルナ・ソサが体調不良で欠場濃厚なのも、伊東にとっての追い風になりそうだ。ソサがいないとなれば、伊東付近で相手の隙が生まれる可能性が高まりそうだ。そこで本来のチャンスメークやフィニッシュへの鋭さを発揮していけば、最終予選の時のように「攻めの切り札」としての働きができる。それを多くの人々が待ち望んでいるのだ。