はっきりしているドイツ代表の長所と短所
ドイツ代表の長所と短所ははっきりしている。それはコスタリカ代表戦でも明らかになった。
まずは長所から。ハンジ・フリック監督率いるチームらしく、前線から組織的なプレスをかけて相手陣内でプレーし続ける「攻撃的な守備」が現ドイツ代表の持ち味である。70%ボールを保持したコスタリカ代表戦の前半はほぼ全ての時間帯を相手陣内に押し込み続け、被シュートもわずか1本に抑えていた。
そしてこの試合の先制点の場面のように、ボールを奪ってからも中央でタメを作り、最後は大外を駆け上がったダヴィド・ラウムが高精度のクロスを入れて中で合わせる「中央で作って最後は大外」という形は、ドイツ代表が最も得意としている攻撃の形だ。
こうした持ち味が発揮できた前半とは対照的に後半はコスタリカ代表の攻撃に苦しんだ。その要因は中盤でのプレスが突破された後の守備の脆さにある。ドイツ代表は「相手陣内での攻撃的な守備」は得意でも「自陣で守り切る守備」は苦手なのだ。