外から見て感じた悔しさ
「こういう大会はシビアな戦いになるので、セットプレーはカギになってくる。CKが1本しかないかもしれないので、1本目から100%で飛び込む、信じることを大事にしてやりたいなと。仮に5本あるとしても全部、同じパワーと信じる力を持って入れればいいかなと思います」と冨安も得点意欲を強く示す考えだ。そうやって攻守両面で存在感を発揮してくれれば、日本代表の勝利、グループ突破は必ず現実になる。そう信じてやっていくしかない。
思い起こすこと1年4カ月前の東京五輪。準決勝・スペイン代表戦に冨安は不在だった。イエローカード累積で出場停止だったからだ。延長の末、マルコ・アセンシオの一撃に沈んだチームの助けられず、彼は苦渋の表情を浮かべたに違いない。そのリベンジという意味も含め、今回のスペイン代表戦には特別な意識が抱いていたはず。その感情や思いの全てをピッチにぶつけ、最良の結果を手にするのみだ。
「(東京五輪の時は)外から見ている方が悔しい部分もあった。僕だけじゃなくて五輪世代はスペインに対しての気持ちをより一層持っている選手たちが多い。リベンジをしっかりと果たすことができればいいかなと思ってます」
その言葉通り、宿敵・スペイン代表から勝ち点3を手にできれば、日本サッカー界の非常に大きな一歩となる。若い世代のDFの筆頭と位置づけられる冨安には闘争心をむき出しにし、チームを力強くけん引してほしいものである。
(取材・文:元川悦子【カタール】)
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