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鎌田大地が持つアドバンテージとは?スペインに挑むサッカー日本代表が目指す形【カタールW杯】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

「ただ、相手も…」鎌田大地の見立てとは



「ただ、相手もボールを奪われてからの切り替えが早いし、早い判断でワンタッチ、ツータッチでプレーしないとボールを失ってしまう。そういう部分はしっかりやっていかないとなって思います」

 鎌田は持ち前の正確な技術を遺憾なく発揮して、スペイン代表撃破の急先鋒になる覚悟を固めている。

「ここまで来たら積極的に行くしかない」というのはチーム全体の共通認識だろう。そして2018年ロシアW杯で日本代表を16強へと導いた西野朗前監督の強い希望でもある。

 数日前にカタール入りし、同日夜、イラン代表対アメリカ代表戦の会場に姿を見せた前指揮官は「次はもう前へ前へ行くしかない」と日本代表の背中を押すような強いメッセージを口にしていた。

 27日のコスタリカ代表戦で「引き分けOK」という状況の中、消極的になり、自身も三笘薫からの折り返しを決めきれなかった鎌田も、「前へ前へ」という意識は最も重要だと考えているのではないか。走行距離・スプリント回数ともに日本代表トップの数字を残すほど、献身的にハードワークしているのに、ゴールに結びつく仕事がないというのは彼自身も見る側もやはり納得がいかない。その停滞感を払拭してこそ、鎌田大地なのである。

 このまま初めてのW杯を不完全燃焼のまま終わってほしくない。彼が大舞台で日本代表を勝たせる結果を残し、名実ともにスターダムにのし上がることを強く願いたい。

(取材・文:元川悦子【カタール】)

【了】

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