トップ下/ウイング
南野拓実(モナコ/フランス)
【写真:Getty Images】
生年月日:1995年1月16日
市場価値:1000万ユーロ(約12億円)
22/23リーグ戦成績:9試合1得点3アシスト
代表通算成績:44試合17得点8アシスト
森保ジャパン発足当時の主力メンバーの1人で、カタールワールドカップでは主役になると思われていた。しかし、月日を重ねていくにつれ、日本代表での存在感は徐々に薄れていくように。今では鎌田大地や三笘薫の台頭などもあって完全なるベンチ要員となっている。
南野拓実はゴール前でこそ力を発揮するタイプだ。味方が作り出したスペースに飛び込むのが巧く、狭いエリアでボールを収められる技術力もある。シュートの精度が決して低いわけではなく、そのパターンも豊富だ。大迫勇也のような潰れ役を担えるCFとコンビを組み、セカンドストライカーとして振る舞うことが、持ち味を発揮する上でベストな形と言える。
一方で、単独で局面を打開するような突破力はない。さらに能力値が「70」となっていることからも分かる通り「パス」で違いを作り出せる選手でもないため、とくにサイドで起用された際には沈黙してしまうことが多い。それは日本代表でも証明されてきたことだ。また、この弱点こそ、戦術より個に特徴を持つリーグ・アンで輝けていない理由とも言えるだろう。
伊東純也(スタッド・ランス/フランス)
【写真:Getty Images】
生年月日:1993年3月9日
市場価値:900万ユーロ(約11億円)
22/23リーグ戦成績:12試合4得点1アシスト
代表通算成績:39試合9得点9アシスト
ロシアワールドカップメンバーからは落選したが、同大会終了後に日本代表に定着。2020年以降は右サイドのファーストチョイスとなり、FIFAワールドカップカタール2022・アジア最終予選では4試合連続ゴールを記録と、7大会連続7回目となるW杯出場の立役者となった。
自慢の武器は「スピード」。追いつけそうにないボールに簡単に追いついてしまうなど、わかりやすく“速い”。その「スピード」を生かした「ドリブル」もやはり強みで、縦突破はもちろんのこと、縦を見せておいてのカットインでも怖さを示すことができる。クロスやシュートの精度も悪くなく、最後の局面でしっかりと“やり切れる”あたりも魅力と言える。
また、もう1つ特徴に挙げられるのが、攻撃的な選手としては高い「守備力」を持っていること。ストロングポイントである「スピード」を生かしたプレスバックなどでサイドバックをサポートする姿は日本代表でもよく目立っている。大きく数値を落としたのが「空中戦」のみとなった結果こそが、森保ジャパンで主力を張り続けられている理由の1つと言えるのかもしれない。
鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)
【写真:Getty Images】
生年月日:1996年8月5日
市場価値:3000万ユーロ(約36億円)
22/23リーグ戦成績:13試合7得点4アシスト
代表通算成績:23試合7得点3アシスト
4-3-3への変更やフランクフルトでの不調などもあって一時は日本代表での序列が下がったが、今年6月シリーズで久々の招集を果たすと、ハイパフォーマンスを披露。続く9月シリーズでも森保ジャパンに欠かせない存在であることを証明し、堂々とカタールワールドカップメンバーに名を連ねた。
今季のフランクフルトでの成績が表しているように、チャンスメーカーとしてだけでなく、フィニッシャーとしても振る舞えるのが大きな強み。それを可能としている理由は、技術力はもちろん、「IQ」に優れているからと言えるだろう。相手にとって嫌なスペースを見つける眼が冴えており、そこを使う上手さがある。そして、ゴール前に関係なく常にポジショニングは絶妙。このあたりのセンスは他の選手にはないものを持っていると言えそうだ。
また、他の選手にはないものを持っているという意味では、「メンタル」も同じ。このスキルに関しては明らかに日本人離れしており、フランクフルトや日本代表でコンスタントに結果を残すことができる“根幹”となっている。W杯のような大舞台で普段通りのプレーを発揮できるのは、おそらく鎌田大地のような選手なのだろう。
相馬勇紀(名古屋グランパス)
【写真:Getty Images】
生年月日:1997年2月25日
市場価値:120万ユーロ(約1.4億円)
2022リーグ戦成績:34試合2得点2アシスト
代表通算成績:8試合4得点2アシスト
名古屋グランパスで主力を張る相馬勇紀は、今年7月のEAFF E-1サッカー選手権2022で久しぶりに日本代表招集を果たした。そして同大会で得点王&MVPを獲得し森保一監督にアピールすると、カタールワールドカップメンバー発表前最後の代表活動となった9月シリーズでもメンバー入り。ここでは出場が2試合で24分間に留まったが、その勢いのまま、カタールW杯メンバー26人に滑り込んだ。
相馬の能力で最も高い評価となったのが「スピード」。数値はチーム内トップクラスの「87」だ。その「スピード」を生かした「ドリブル」も素晴らしく、緩急を巧みに使った縦への突破は名古屋だけでなく、日本代表でも何度も見られている。運動量が抜群に豊富で、終盤になっても果敢に仕掛けていける点も魅力と言えるだろう。
「守備力」も攻撃的な選手としては高めで、小柄ながら「フィジカル」も悪くない。しかし、「攻撃力」は「68」とやや低め。縦へ抜け出してからのクロスや、シュート精度に改善の余地があるというのがその大きな理由だ。ここが成長すれば、相馬は日本代表で絶対的な存在となることができるのかもしれない。
久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)
【写真:Getty Images】
生年月日:2001年6月4日
市場価値:1200万ユーロ(約14.4億円)
22/23リーグ戦成績:12試合2得点2アシスト
代表通算成績:21試合1得点0アシスト
日本サッカー界のこれからを担うであろう久保建英は、高い攻撃センスを持つ選手だ。バルセロナのカンテラ(下部組織)で磨いた「テクニック」は素晴らしく、そのタッチのしなやかさは、やはり日本人よりも欧州のプレーヤーに近いものがある。ゴール前でのアイデアにも長けており、味方を使う、あるいは味方に生かされる術を21歳ながら熟知している。
以前までは「守備力」に難ありとされていたが、ヘタフェやマジョルカでのプレーを経験したことで、現在はかなり改善された。小柄なため「フィジカル」が抜群に強いとは言い難いが、首を振りながらボールホルダーに向かって行くなどプレスのかけ方が巧みで、そのあたりからも「IQ」の高さを感じることができる。“二度追い”の回数も以前よりも増えている印象だ。
そんな久保がより怖い存在となるためには、やはり仕上げ部分のクオリティーを上げることだろう。とくにシュート技術。全くダメというわけではないが、絶好のチャンスでGKの正面に飛ばしたり、狙いすぎて枠を外してしまったりすることが少なくない。「攻撃力」が「72」と伸び悩んだのは、それが1つの理由だ。まだ21歳と若いため、今後の成長に期待したいところである。
三笘薫(ブライトン/イングランド)
【写真:Getty Images】
生年月日:1997年5月20日
市場価値:600万ユーロ(約7.2億円)
22/23リーグ戦成績:9試合1得点1アシスト
代表通算成績:9試合5得点2アシスト
今年3月、日本代表は7大会連続7回目のワールドカップ出場を決めた。その立役者となったのが、三笘薫だ。オーストラリア代表とのアウェイゲーム、同選手は0-0で迎えた84分にピッチに立つと、89分に貴重な先制ゴールを奪取。さらにその5分後には、勝負を決定づける2点目をマーク。一夜にしてスーパーヒーローとなった。
そんな三笘の最大の武器と言えば、やはり「ドリブル」だ。緩急を巧みに使ったそれは切れ味がピカイチで、DFをあっという間に無力化できる。とくに疲れの溜まっている相手に対しては効果が抜群で、日本代表でも、そして今季よりプレーするブライトンでもジョーカー起用で存在感を示してきた。突破力に関しては、間違いなく現日本代表選手の中でNo.1だろう。
どうしても「ドリブル」ばかりに目がいくが、三笘はオフ・ザ・ボールの動きも悪くない。味方が作ったスペースに入り込むタイミングが良く、そのあたりからは高い「IQ」を感じることができる。また、ボールを持てば恐れることなく、常に仕掛けていけるなど「メンタル」も強靭。良い意味で日本人らしくない選手と言っていいかもしれない。
堂安律(フライブルク/ドイツ)
【写真:Getty Images】
生年月日:1998年6月16日
市場価値:1200万ユーロ(約14.4億円)
22/23リーグ戦成績:15試合2得点3アシスト
代表通算成績:29試合3得点4アシスト
ロシアワールドカップ後に就任した森保一監督の元で日本代表デビューを果たし、その後しばらく南野拓実や中島翔哉とともに2列目の主力として奮闘を続けていた。ただ、2020年に入ってからは右サイドのファーストチョイスが伊東純也となり、自身は2番手という位置に。現在に至るまでその序列をひっくり返すことができていない。
堂安律は負けず嫌いな性格で、それはピッチ上のプレーにも現れている。ボールを持てば果敢に「ドリブル」で仕掛けていき、チャンスがあれば迷わずシュートを狙っていく。小柄ではあるが「フィジカル」はそこまで弱くなく、マッチアップするDFにしっかりと体をぶつけてボールをキープすることができる。相手からすると厄介な存在だろう。
また、守備への貢献度も高い。多少荒い部分はあるかもしれないが、懸命にボールホルダーへ寄せていき、奪えると見れば体を投げ出すことも厭わない。また、24歳と若いながら「メンタル」もしっかりしており、多少のことではブレないのも魅力。昨季レンタルバックしたPSVでの活躍、また新天地のフライブルクでの活躍は、その「メンタル」があってこその結果だろう。