ボランチ
遠藤航(シュツットガルト/ドイツ)
【写真:Getty Images】
生年月日:1993年2月9日
市場価値:650万ユーロ(約7.8億円)
22/23リーグ戦成績:14試合2得点0アシスト
代表通算成績:44試合2得点2アシスト
日本代表能力値ランキングで1位に輝いたのが、中盤の要である遠藤航だ。森保一監督の下では、2019年のAFCアジアカップ、FIFAワールドカップカタール2022・アジア予選、さらに東京五輪(東京オリンピック)と休むことなく働き続けてきた。その稼働率と貢献度は、間違いなく現日本代表メンバーの中でNo.1だ。
遠藤の最大の武器は、やはり「フィジカル」。2季連続のブンデスリーガ“デュエル王”に輝いたことからもそれは明らかで、数値はカタールW杯に臨む日本代表メンバーの中で最高の「82」が記録されている。もちろん「守備力」も高評価。また、「ドリブル」も守備的MFとしては高い「78」がついている。「フィジカル」を生かした推進力が素晴らしいという評価だ。
「スピード」や「攻撃力」はそれほど上がらなかったが、それ以外のほとんどの項目で水準以上の数値が記録されており、日本代表メンバー26人の中で1位に輝いたのも納得の結果となった。改めて、これほどのスキルを兼ね備えた遠藤は日本代表において絶対に欠かせない存在。森保監督がフル稼働を求めたのも、無理はないと言えるかもしれない。
田中碧(デュッセルドルフ/ドイツ)
【写真:Getty Images】
生年月日:1998年9月10日
市場価値:180万ユーロ(約2.2億円)
22/23リーグ戦成績:13試合1得点1アシスト
代表通算成績:15試合2得点0アシスト
昨年10月に約2年ぶりの日本代表招集を果たすと、同月のFIFAワールドカップカタール2022・アジア最終予選のオーストラリア代表戦で先発に抜擢され、ゴールを奪取。そこからしばらくレギュラーとして活躍した。ところが、ここ最近のパフォーマンスはあまりパッとせず。現在はベースフォーメーションが4-3-3から4-2-3-1へと変更されたこともあり、序列を大幅に下げている。
そんな田中碧の能力値で高評価となったのが「パス」「テクニック」「IQ」だ。味方からのボールをピタッと、それも次のプレーに移りやすい位置に止める技術が高く、「パス」はスピードが十分かつ正確。このあたりは下部組織時代から過ごす川崎フロンターレで培ったものが大きく、ゲームメーカーとしての能力は水準以上と言える。
ウィークポイントは単純な「フィジカル」で、数値は「69」となった。運動量は抜群に豊富だが、ボールを奪いに行っても奪いきれなかったり、反対に素早い寄せに遭うと簡単に失ってしまうことがしばしば見受けられる。インテンシティーの激しいドイツ2部でそれほど輝けていないのも、ここが原因と言えそうだ。
柴崎岳(レガネス/スペイン)
【写真:Getty Images】
生年月日:1992年5月28日
市場価値:100万ユーロ(約1.2億円)
22/23リーグ戦成績:13試合0得点1アシスト
代表通算成績:60試合3得点7アシスト
4年前のロシアワールドカップでは大活躍を披露。森保ジャパンでも発足当初は主力を張っていた。しかし、試合を重ねるごとにパフォーマンスレベルは低下していき、今では鎌田大地や田中碧の台頭などもあり序列は大幅に低下。カタールW杯メンバーには名を連ねたものの、その選考に賛否両論あったのは事実だ。
柴崎岳の代名詞と言えば「パス」能力の高さだ。視野が広く、単純な捌きはもちろんのこと、局面を変えるようなロングフィードや攻撃の勢いを一気に加速させるようなキラーパスにも定評がある。先日行われたカナダ代表戦では、見事なフライパスから相馬勇紀のゴールをアシスト。まさに柴崎の真骨頂が発揮されたシーンだった。
一方で守備的MFとしては「フィジカル」があまりに低い。ボールを積極的に奪いにいく姿勢は目立つが、奪い切れなかったり、簡単に剥がされてしまうことも同じくらい目立っている。これはインテンシティーの高い現代サッカーにおいては致命的で、批判に晒される原因の1つにもなっている。格下相手にはそれほど気にならないかもしれないが、格上相手だと「穴」になりかねない。