そういった賢い試合運びができるか
日本代表には伊東、三笘薫といった打開力あるウイングがいるし、最前線の前田大然、浅野拓磨も矢のような推進力を誇る。彼らがグイグイと縦に攻め込んできたら、百戦錬磨のスペイン守備陣と言えども、対応に苦慮するだろう。
名手のウナイ・シモンも難敵ではあるが、日本代表はマヌエル・ノイアーから2ゴールを奪ったという事実もある。数少ないチャンスをモノにできれば、必ず道は開けてくるはずだ。
「強いというのは分かっている。でも、こっちも勝たないといけない。強いメンタルを持って挑むのはもちろんですけど、チームとしてうまく戦えないと勝てないと思います」
そういった賢い試合運びができるか否か…。コスタリカ代表戦では失敗したものの、スペイン代表戦はドイツ代表戦同様に100%チャレンジャーとしてガムシャラに挑んでいける。そのマインドこそ奇跡を起こす原動力となる。
最終予選で4ゴール・2アシスト・PK奪取と全12ゴールの半分以上に絡んだ背番号14はまさに挑戦者そのものだった。その時と同じようにアグレッシブにぶつかっていくしか、日本代表が勝ち進む道はない。
伊東には急先鋒として前へ前へという姿勢を全身で表現し、スペイン代表撃破のゴールをこじ開けてほしいものである。
(取材・文:元川悦子【カタール】)
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