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Jリーグ 2年前

サッカー日本代表には西川周作が選ばれるべきだった。スーパーセーブよりも大事なこととは【後編】

シリーズ:コラム text by 沖永雄一郎 photo by Getty Images

ジョアンの存在が日本サッカーの強化につながる



 そのおかげで、今季疑問に思っていたところが腑に落ちた。西川の今季の変化は、ある意味では『地味』なものだ。チームのスタイルや状況が違うとはいえ、ベストイレブンに選ばれた高丘陽平や盟友・東口順昭のほうが印象的な活躍は多いだろう。

 西川が仮に、昨季までのプレースタイルとポジショニングであれば、今季喫したスーパーゴールのうちいくつかは防げていたかもしれない。ただ逆に、実際に防いだシュートや未然に防いだクロスはそれ以上にあった。スーパーなセーブを繰り出せなかったことよりも、トータルでの失点を減らしたことを、もっと評価すべきかもしれない。GK評価の在り方にも一石を投じたと、個人的には思っている。

 ともかくも、各地で講習会を開催していたこともあり、これまではどちらかというとグラスルーツに支持者が多かったジョアンメソッド。浦和のGKコーチ就任が発表された際も、指導者界隈の反応が多かったように記憶している。

 しかし今年は、浦和GKチームが話題になったことと、より実践的な2冊目、「技術編」の発行により注目度が高まった。ジョアンのメソッドが絶対ではないにしても、倉本氏が冒頭のあいさつで語ったように、GKを見る際の一つの基準となる。GKに注目が集まる、GKを見る目が肥えることはそれだけど日本サッカーの強化になる。

 また、GK指導は一人一派と言われるほど多様なこともあり、ジョアンメソッドを善しとしない考え方もあるだろう。それならそれで切磋琢磨し、自身のメソッドを磨く、またはジョアンメソッドを研究して発展・改良していく指導者たちが次々と現れるようになれば、日本がGK大国となる日もそう遠くはないかもしれない。

<書籍概要>

唯一にして最強のGK育成メソッド! 異端のGKコーチ、ジョアン・ミレッ氏が30年以上GKを分析し突き詰めたGK理論が学べる『世界レベルのGK講座』本シリーズ

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【了】

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