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6ゴール→0ゴール。イングランド代表、解決できていなかった攻撃面の課題とは?【カタールW杯】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

大勝を収めたイラン代表戦との決定的な違い


 まずは多くのゴールが生まれた前節イラン代表戦を振り返る。イラン代表はイングランド代表との試合で、予選ほぼ全試合に出場していた守備的な3選手をスタメンから外し、カルロス・ケイロス体制102試合目にして初の5バックで戦った。イランからすると、より勝利の可能性が高い第2戦、第3戦にベストメンバーで戦うための決断だったと考えられる。

 ぶっつけ本番の5バックだったため、特に前からプレスをハメる場面では選手個人が悩みながら行っていた。仮に前線の選手がプレスをかけたとしても、中盤やSBが連動してスライドすることがなかったため、結果的に中盤が間延びする現象が発生し、イングランド代表はその隙を突く形で好き放題攻撃をすることができていた。

 一方、今節の相手であるアメリカ代表は組織が整ったチームだ。試合序盤こそハリー・マグワイアが縦パスを前線に当てて攻撃の起点となっていたが、前半途中にそれまではプレスに行っていなかったクリスティアン・プリシッチもディフェンスラインにプレッシャーをかけたことで、CBが縦パスを出しづらい状況を作り出した。

 相手に合わせて前半途中に修正をすることができるアメリカ代表は、クラブのような完成度の高さを誇るチームである。逆に試合の中盤以降はアメリカ代表が主導権を握って、イングランド代表相手にカウンターからチャンスを作ることができていた。

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