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最悪の70分間。このままだとサッカー日本代表はやられる。ドイツ戦で露呈した問題【コラム】

シリーズ:コラム text by 編集部

それでも後半に持ち直した理由


【代表撮影 JMPA/渡部薫】



 日本代表はハーフタイムに交代カードを切り、最終ラインを5枚に替えた。5バックになったことで、センターバックがラインを捨てて前で潰せるようになった。これに呼応するようにラインを上げられればコンパクトな陣形を作り出せるのだが、そうできないのが日本代表。ウイングバックが高い位置でひっかけてもディフェンスラインは上げない。そうするとスペースがあるのでボランチのサポートも遅れ、奪いきれずに守備の時間が続く。

 転機になったのは交代策だった。三笘薫が左ウイングバックに入り、伊東純也が右ウイングバックにポジションを下げた。このあたりから冨安健洋や板倉が前で潰すシーンが「さらに」増えてくる。すると、三笘と伊東は高い位置で堂安と南野、浅野拓磨に関われる。ボランチに下がった鎌田大地も前を向いて彼らを見ることができた。

 こうして前向きに守備できるようになったFWとMFに引っ張られるように、吉田麻也を中心とするディフェンスラインは高い位置を取れるようになった。それでもラインコントロールとは呼べないような受動的な上げ下げは続くのだが、ドイツ代表の拙攻もありそれが致命傷になることはなかった。

 ドイツ代表の攻撃がまったく機能していないこともあり、最小限の失点に抑えられた。そして、布陣変更と交代策により状況が好転し、日本代表が素晴らしい逆転勝利を収めたのもまた事実。ただ、その一方で日本代表が最低の70分を過ごしていたという現実を忘れてはならない。

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