吉田麻也の足は止まっていた
日本代表の守備はずるずる下がり、6-2-2のような形になっていた。8分に日本代表はショートカウンターから前田大然がゴールネットを揺らしたが、オフサイドでゴールが認められず。
この直後のディフェンスラインはペナルティーアークの前方から3~5mほどまで下がっていた。中盤がスカスカなので、押し込まれた際は1トップの前田が降りてスペースを埋めなければいけない。ディフェンスラインが下がれば全体は間延びしてプレスがかからなくなり、ショートカウンターが成立するシーンも減っていった。
ドイツ代表はウイングか左サイドバックのダヴィド・ラウムが高い位置のタッチライン際まで開いていたが、ディフェンスラインの裏を取るような動きはそこまで多くなかった。1トップのカイ・ハフェルツとミュラーもライン間を浮遊しているので、裏へのケアは比較的容易なはずだった。
しかし、ボールが前に出ると日本代表のディフェンダー(特に吉田麻也)は易々と下がってしまう。そしてラインを上げられるタイミングがあるにもかかわらず、センターバックの足は止まっている。
これではラインコントロールとは呼べない。ラインがズルズル下がれば、ボランチがカバーする範囲が広くなり、サイドハーフもサイドバックをサポートすべく下がらざるを得ない。押し込まれればカウンターも機能しない。PKを与えたシーンもズルズルと下がったディフェンスラインが引き起こしたものと考えられる。