「ぶっつけ本番のところは正直ありました」
「トミが入って3枚に並べることで強さが出ますし、横で壁を作れる。その分、ウイングバックが攻撃的な選手でも行けるのは分かっていましたけど、僕たち自身はここで3バックをやるとは思っていなかった。監督は可能性を示唆していたけど、ぶっつけ本番のところは正直ありましたし、(後半の)最初から3バックで行ったこともなかったので。決断した監督は本当に素晴らしい」と三笘は神妙な面持ちで語っている。ここ一番で勝負に出るという森保采配が選手たちに強いメッセージを与えたのは間違いない。
そして後半12分。満を持して三笘が長友佑都と代わって登場すると、場の空気が一変する。16分には彼がドリブルで中央から攻め上がり、浅野拓磨の決定機を演出。これは惜しくも枠を越えて行ったが、いきなりビックチャンスをお膳立てし、存在感を示した。
「まずは失点しないことが大事なので、中を締めながらボールを持ったらカウンターで出ていくことを意識していました。高い位置を取ることで相手を引き付け、後ろのスペースを作ろうと思っていたので。そして自分たちの流れに持っていくことを考えました」
左の切り札は守備第一を頭に入れつつ、攻守のバランスを取りながら、ドイツの弱点である背後を虎視眈々と狙い続けた。
この積極的なトライが、後半30分の堂安律の同点弾につながる。