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長友佑都に起きた心境の変化とは? サッカー日本代表DFの4年間に訪れた2つの転機【コラム】

「ポスト長友」という言葉を本人はどう捉えているのか



 例えばロシア大会までの長友からは、後輩たちを焚きつけるような言葉が幾度となく聞いた。

「僕や(本田)圭佑、オカ(岡崎慎司)が代表に入ってきたときのように、若い選手たちにはもっとガツガツやってほしい。遠慮なんてしなくていいから、自分が中心になるぐらいの思いで、日本代表を引っ張ってやるんだというギラギラしたメンタルをもってほしいんですよね」

 紋切り型のように報じられる、世代交代が必要だという指摘にやんわりと反論するときもあった。

「ポスト長友、好きですよね、みなさん。ポスト長友、ポスト長友と何だかおっさんを外したいみたいなので、おっさんの意地というか魂を、長友ここにあり、と思われるようなプレーを見せますよ」

 ロシア大会後に船出した森保ジャパンでも、左サイドバックのファーストチョイスを担い続けた。そして、カタール行きをかけた戦いが近づいてきたときには、こんな言葉を残すようになった。

「僕自身が競争に勝って、レギュラーとしてチームに貢献したいという気持ちはもちろんあります。ただ、ライバルにはなりますけど、若い選手たちに自分自身の経験というものを伝えていきたい、という気持ちもあるのでよく話すようにはしています。彼らが育つことによって、僕も競争というポジティブなエネルギーをもらえると思っていますし、何よりもそういうエネルギーを僕自身が欲している。競争相手がいる厳しい環境の方が、間違いなく成長できるので」

 長友の胸中で生じた変化は「共生」という二文字に集約される。例えば「ポスト長友」という言葉に対しても、かつての反骨心とは性質がまったく異なる考え方が生じるようになった。

「『ポスト長友』で探すから難しい部分があると思うんですよ。僕はまったくかまわないんですけど、いい面でも悪い面でもみなさんが『長友だったら』と比べてしまうと、僕のポジションに入る若い選手はやりづらいと思うんですね。なので『ポスト長友』よりも日本代表の左サイドバックとして、純粋な目で探した方が新しい風を吹かせて、新しい競争を作り出していくんじゃないか、と」

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