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メキシコ代表は7大会連続でベスト16進出と、ワールドカップで安定した成績を残している。前回大会では2014年大会の王者であるドイツ代表を初戦で破るという番狂わせを起こした。
今大会はかつてアルゼンチン代表やバルセロナを率いた経験があり、4-4-3を得意とするジェラルド・マルティーノがチームの指揮を執っているが、気になるのは主力選手の高齢化だ。これまで代表を長らく支えてきた守護神ギシェルモ・オチョアやエクトル・モレーノ、アンドレアス・グアルダードらは今大会もメンバー入りを果しているが、依然として代わるニュースターが表れていると言い難く、ベテランへの依存度が高いのが現状だ。
特にGKに関してはそれが顕著であり、全員が35歳以上という異常事態だ。それでもオチョアとアルフレド・タラベラの両看板は健在であり、ワールドカップという短期的な視点で見れば問題はないだろう。
CBにはモンテレイでコンビを組むモレーノとセサル・モンテスの2名が先発起用されそうだ。今夏までセルタでプレーしたネストル・アラウホもレギュラーに抜擢されてもおかしくはない実力者であり、ポジション争いは熾烈だ。
右SBのポジション争いは本番までわからないというのが現状だ。直近の起用を見る限りケビン・アルバレスが先発起用される可能性が高そうだが、ホルヘ・サンチェスもコンディションが万全であればスタメンクラスの選手であり、守備を重要視した場合は本職がCBのアラウホを右SBで起用する可能性もあるだろう。左SBにはヘスス・ガジャルドが入る可能性が高い。
アンカーにはアヤックスで主力を務めるエドソン・アルバレス、インサイドハーフにはルイス・チャベスとカルロス・ロドリゲスが入ると予想する。グアルダードとエクトル・エレーラの両ベテランがスタメンに抜擢される可能性もあるだろうが、彼らは試合途中からチームを締める役割を与えられそうだ。
スリートップにはウリエル・アントゥナ、エンリ・マルティン、アレクシス・ベガのメキシコ国内リーグで大活躍中の3選手が抜擢されそうだ。本来であれば欧州での実績も抜群なラウール・ヒメネスがエースとして活躍して欲しいところだが、2020年に負った頭蓋骨骨折の大怪我以降、怪我前のコンディションに戻っていると言い難く、10月に負った股関節の負傷から実戦経験がないままワールドカップが開幕する。そのため戦力としてカウントするのは極めて難しい状況にある。
チチャリートやカルロス・ベラ、ジョバニ・ドス・サントスら、かつてメキシコ代表を牽引したスター選手はもういない。彼らが全盛期だった前回大会より戦力が揃っているとは言い難いが、モンテスやアントゥナ、マルティン、ベガら国内リーグで活躍している選手が台頭してきており、今回のカタールワールドカップでの活躍次第では、新たにスターが誕生する可能性もあるだろう。