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ドイツ代表にはつけ入る隙がある。サッカー日本代表MF堂安律が抱く自信の根拠とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

3年10ヶ月ぶりのゴールで勝利に導く



 ドイツの場合はムシアラやサネのアタックが破壊力抜群であるため、堂安も守備のサポートに入る回数が多くなるかもしれない。しかし、それも含めて問題ないという。

 攻守両面のバランスをしっかり見つつ、ここ一番でグイっとゴール前に侵入し、パンチ力あるフィニッシュを決めてくれれば、20歳だった自身を4年前に抜擢してくれた指揮官の恩に報いることができるはず。2019年のAFCアジアカップ準決勝・ベトナム代表戦以来となる3年10か月ぶりの得点を奪うこと。それが堂安に課せられた最重要命題と言っていい。

 正直言って、この4年間の彼は代表で順調な軌跡を歩んできたわけではなかった。当初は南野拓実、中島翔哉とともに「三銃士」と称され、新生ジャパンの攻撃陣を担う存在と位置づけられていた。

 その後、伊東の躍進によってスタメンの座を追われる格好になったが、堂安には堂安の強みがあるし、底力もある。今季のフライブルクで実証している力を、W杯という大舞台でも発揮できるはず。チームが変わればフォーメーションも連係面も異なるため、必ずしも同じ仕事ができるわけではないが、ドイツで蓄積している経験は必ず生きるに違いない。この試合こそ、それを発揮する場なのである。

 東京五輪世代のエースがA代表のエースになれるか否か。それは今回のW杯にかかっていると言っても過言ではない。「日本のメッシ」と評された男の真価をドイツ相手に示し、強豪撃破の急先鋒になってほしいものである。

(取材・文:元川悦子【カタール】)

【了】

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