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国際サッカー連盟(FIFA)は18日、カタールワールドカップ期間中にスタジアム周辺でのアルコール飲料販売が禁止になったと明らかにした。
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今大会はスポンサーである「バドワイザー」のビールが、スタジアム周辺で試合開始3時間前から試合終了1時間後まで販売される予定だった。しかし、開幕2日前になって全ての決定が覆された。
欧米メディアの複数の報道によれば、カタール当局からの強硬な圧力があり、従うしかない状況になったという。もともと同国はイスラム教の教えに則り、飲酒のみならずアルコール飲料の販売や所持にも厳しい制限を設けていることで知られる。
これまで許可されていたスタジアム周辺でのビールの販売が禁止されたことに対し、最初に公の場で声をあげたのはデンマーク代表DFラスムス・クリステンセンだった。ポルトガル紙『レコルド』など複数メディアが伝えている。
リーズ・ユナイテッドに所属する25歳の右サイドバックは「(ビール販売禁止は)物議を醸す決定だと思う。残念だと言わざるを得ない。僕がこう発言するのは、ビールがサッカーのイベントの一部であるべきだからではない。しかし、ビールは多くの人々とサッカーを結びつけるものになっている。そして、喜んでいないスポンサーがいるのも事実だ」と述べた。
中東メディア『アル・ジャジーラ』によれば、バドワイザーの親会社であるアンハイザー・ブッシュ・インベブ社は、カタールワールドカップでのビール独占販売権に7500万ドル(現在のレートで約105億円)を投資したとされる。
すでにワールドカップで販売するための在庫のほとんどはカタールに向けて出荷済み。カタール当局の突然の方針展開によって、大会のスポンサーに莫大な損失が生じるのは間違いない。
なお、スタジアムとは別の場所に設けられる「ファンゾーン」では、予定通りビールの販売が行われる見通しとなっている。こちらでは1杯500mLのビールが11.6英ポンド(約1900円)と高額なことで話題となった。スタジアム周辺では「バドワイザー」ブランドのノンアルコールビールが販売される見込みだ。
20日にカタール代表対エクアドル代表の一戦で開幕を迎える、中東では初めてのワールドカップ。大会招致の時点からゴタゴタ続きで、移民労働者の人権問題なども提起される中、アルコール飲料の販売をめぐっても欧米との価値観や宗教に対する考え方の違いが浮き彫りになっている。
【了】