フォーメーション
【写真:Getty Images】
2020年8月に就任したグスタボ・アルファロ監督はブラジルW杯出場時に中心を担ったアントニオ・バレンシアやクリスティアン・ノボアなどのベテラン選手をチームから外し、若手選手中心のチームを形成。カタールW杯・南米予選に参戦した10カ国の内、26歳10ヶ月と最も平均年齢が低いチームでありながらW杯出場常連国のコロンビア代表を抑え、南米予選を4位で通過した。
W杯出場権獲得を可能にしたのはその堅守速攻型のスタイル。守備時には最終ラインと中盤の距離を短く保ち、厚いブロックを形成。選手個人の高いインテンシティからボール奪取に成功すると、スピードが持ち味の攻撃陣が畳み掛ける。アルゼンチン人指揮官は「エクアドル代表はボールリカバリーに関して言えば南米一だ」と自信を示し、実際、今大会の南米予選では前大会予選に記録した26得点29失点から、27得点19失点へと成績は向上。カタールW杯でのパフォーマンスに注目が寄せられている。
基本フォーメーションは歴代の代表監督たちも採用してきた4-4-2だが、試合によっては4-1-4-1や4-2-3-1を使い分けている。
エクアドル代表の正守護神を務めるのはアレクサンデル・ドミンゲスだ。豊富な経験と抜群の安定感でチームに安心感を与える。このベテランGKのバックアップとして2番手には同じくベテランのエルナン・ガリンデス、3番手には若手のモイセス・ラミレスが名を連ねる。
CBには南米予選を戦い抜いたフェリックス・トーレスとピエロ・インカピエの若手コンビが並ぶ。両者とも強靭なフィジカルとスピードを兼ね備えており、地上戦、空中戦で攻撃の芽をことごとく摘み取っていく。試合が拮抗している場合にはセットプレーに定評があるジャクソン・ポロソを途中投入するという選択肢もあり、同ポジションは選手層が厚い。
左SBには不動のペルヴィス・エストゥピニャン、右SBにはアンへロ・プレシアードと積極的な攻撃参加が持ち味の選手が入る。エストゥピニャンの控えには今季好調をキープしているディエゴ・パラシオスもおり、同選手も攻撃のサポート役として十分存在感を発揮できる。
中盤の底にはカルロス・グルエソとモイセス・カイセドが名を連ねる。昨年からコンビを組み続けており相性は抜群。右サイドハーフにはゴンサロ・プラタ、左サイドハーフにはアンヘル・メナとドリブラー2名がサイドから攻撃の起点を作り出す。
そして、最前線にはキャプテンでエースのエネル・バレンシアとミカエル・エストラーダがコンビを組む可能性が高い。両者ともに今年行われた代表戦ではそれぞれ1得点に留まっているが、両SBと両サイドハーフとの歯車が上手く噛み合わされば強豪国相手でも複数得点を奪うことができるだろう。