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デンマーク代表は、2002年の日韓ワールドカップでベスト16に躍進して以降、欧州予選敗退2回、グループリーグ敗退1回と悔しい思いをしてきた。しかし2018年に開催された前回大会ではベスト16と躍進。続くユーロ2020(欧州選手権)ではベスト4と好成績を残し、欧州予選も9勝1敗と危なげなく1位通過した。UEFAネーションズリーグも、クロアチア代表に2敗したものの、強豪フランス代表、オーストリア代表にホームとアウェイ共に全勝するなど、今年のワールドカップでも期待がかかる存在だ。
そんな北欧の代表チームで注目の選手はクリスティアン・エリクセンだろう。ユーロの試合中に心臓疾患にかかり、生死をさまようアクシデントに見舞われた稀代のパサーだ。一時期は現役復帰も危ぶまれたが見事、22年冬にブレントフォードで選手復帰。再びデンマークの攻撃を牽引する司令塔として機能している。
そんなチームの中心選手であるエリクセンは、チームのシステムにも影響を与えているのかもしれない。欧州予選でのデンマーク代表は3-4-3や4-3-3が採用されていたが、ネーションズリーグは3-4-1-2も使われている。やはりトップ下にエリクセンを使いたいという意思が少なからず働いているのかもしれない。
GKは今夏に移籍したカスパー・シュマイケルだ。加入したニースでも守護神を務めており、代表では不動の存在だろう。 CBのファーストチョイスは、キャプテンのシモン・ケアー、ともに26歳のアンドレアス・クリステンセンとヨアキム・アンデルセンとなる。
WBはどちらも不動であり、右をラスムス・クリステンセン、左をヨアキム・メーレが務める。控えでは、ベテランのイェンス・ストリガー・ラーセンが右、若手のアレクサンダー・バーが左をそれぞれバックアップする。
ダブルボランチは、ピエール=エミール・ホイビュルクとトーマス・ディレイニーの経験豊富な2人がスターティングメンバーに名を連ねることが予想される。バックアップするマティアス・イェンセンとクリスティアン・ノアゴーは、どちらもプレミアリーグで好調なブレントフォードで奮闘しており、途中交代での投入やターンオーバーでのスタメンに期待できる。
そして前述の通りトップ下を務めるのは代表の核であるクリスティアン・エリクセンである。今夏加入したマンチェスター・Uでも不動の存在となっており、ユーロ2020(欧州選手権)の際に起こったアクシデントの影響を微塵も感じさせない。
不安要素であるツートップには、直近の代表戦でゴールを決めたアンドレアス・スコフ・オルセンとカスパー・ドルベリになるか。ドルベリはクラブでの出場機会に恵まれていないため、昨季までバルセロナに在籍していたマルティン・ブライトバイテがファーストチョイスとなる可能性もあるが果たして。