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野心と武器。伊東純也の4年間。サッカー日本代表の控えからエースへ変貌できた理由【コラム】

逞しさを増した貴重な「経験」


 続く10月のパナマ代表戦でもゴールし、存在感をアピールしたが、森保監督の中ではあくまで「切り札」的な位置づけだったのだろう。2019年のAFCアジアカップを経て、同年9月からスタートした2次予選序盤まで、伊東は堂安と交代して流れを変える役割を託されて続けた。

 その流れが変わり始めたのが、先発出場して個の打開力を示し、3アシストを記録した19年10月のモンゴル代表戦だ。この年の2月に柏レイソルからベルギーのヘンクへ移籍した伊東は、19/20シーズンの序盤からアシストランク上位をキープ。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)にも初参戦し、鋭さと逞しさが目に見えて増したのだ。

 長友佑都が「CLを経験するとまた違う」と言い、本人も「強い相手とやっても自分の通用する部分があるので、多少なりともプラスになっていると思います」と自信をのぞかせていた。同シーズン頭にPSVへ赴き、出番を得られず苦しんだ堂安律とは対照的な軌跡を辿ったのだ。

 11月シリーズは堂安がU-22日本代表に参戦したこともあり、キルギス代表戦は伊東が右サイドで先発。日本は敵地で苦しみながら2-0と勝利し、2次予選前半戦を終えた。トップ下・南野との関係性も試合をこなすごとに良くなり、縦への推進力をもたらせる彼の存在価値は確実に上がっていった。

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