自ら掴んだビッグクラブ移籍
その期待に本人も応えるべく、アグレッシブにチャレンジしていく。代表初の大舞台となった2019年のAFCアジアカップではなかなか得点機をモノにできず、報道陣に対して無言を貫くなど、本人も苦悩。カタール代表との決勝戦の1ゴールにとどまったが、19/20シーズンに当時所属のザルツブルクでのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)デビューで一気に飛躍の手ごたえをつかみ始める。
自身も9月のヘンク戦での2アシスト、10月のリバプール戦での豪快な一撃など目に見える結果を残して復調。代表でも2次予選序盤で4戦連続ゴールを奪い、重要な得点源として大いなる存在感を発揮する。直後の2019年末にはリバプール移籍が決定。2015年1月にザルツブルクへ赴いた際から願い続けてきた「CLに出場し、ビッグクラブへ移籍する」という大目標を果たし、名実ともにトッププレーヤーの仲間入りを果たした。
だが、世界最高峰クラブの壁は想像以上に高かった。当時のリバプールにはモハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネの強烈3トップが君臨。南野はカップ戦などで出番を得て、結果を出していたが、2020年夏にディオゴ・ジョッタが加入したこともあり、序列低下は避けられなかった。2021年2月にはサウサンプトンへのレンタル移籍を強いられた。ただ、同クラブでサイドを経験したことで、プレーの幅を広げたのも確かだ。