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久保建英 2年前

久保建英、復帰戦のパフォーマンスはどうだった? 突然の出番、W杯への影響は?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

久保建英の復帰戦のパフォーマンスは?


【写真:Getty Images】



 そんなセビージャ戦で、肩の脱臼のためしばらく休養が続いていた久保建英は久しぶりにピッチに立っている。前節のバレンシア戦ですでにベンチ入りはしていたものの、チームが数的不利となってしまったため展開的に出番を得ることは難しく、結果としてW杯前最後のリーグ戦が復帰戦になった。

 久保はこの日もベンチスタートだったが、カルロス・フェルナンデスの負傷により急遽10分からピッチに立っている。セビージャの良い守備を前に投入後しばらくはなかなかボールに触れられず、ボールが来ても味方との呼吸がわずかに遅れオフサイドを再三取られるなど、ゲームへの入り方は少し心配だった。

 しかし、セビージャに退場者が出た後のプレーは際立っていた。久保は主に左サイドに流れてアクションを起こすなど、自陣深くに引いたセビージャのブロックを広げさせるための役割を担っていた。

 結果としてゴールやアシストという目に見える数字は残せなかった久保だが、悲観すべきではない。チャンスには絡んでおり、それらの数字をさらに積み上げる可能性も感じさせた。

 最も悔やまれるのは前半アディショナルタイムのことだ。久保が敵陣深くでヘスス・ナバスからボールを奪うと、ボックス内に侵入。タメを作っている間にダビド・シルバがニアサイドへ飛び込んだことでセルロートが完全にフリーとなり、そこを見逃さなかった久保からノルウェー人FWに決定的なパスが渡った。しかし、セルロートの放ったシュートは弱々しく、GKヤシン・ブヌの手の中へ。アシストのビッグチャンスだったが、結果は残念なものとなった。

 前半、久保はシュート数0本に終わったが、後半は積極的に狙った。70分にはボックス外から強烈なミドルシュート、75分にはカットインから右足で際どいシュートを放った。後半の久保によるフィニッシュは4本。これはチーム最多の数字である。

 もちろんセビージャが9人になった影響がないとは言えないが、復帰戦のパフォーマンスとしては完璧に近い。スペイン紙『エル・デスマルケ』は日本人レフティーにチーム最高評価を与えたようだ。久保が欠場した公式戦3試合でソシエダは未勝利に終わるも、久保が復帰した試合でいきなり勝利したという事実が、ソシエダにおける久保の重要性を物語っているのかもしれない。

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