基本フォーメーション
カタールワールドカップを前に、グラハム・アーノルド監督は若手を数多く抜てきした。昨年の東京五輪に出場した選手や、A代表デビューを飾ったばかりの10代の有望株をメンバーに含めて本大会に挑む。
だが、ワールドカップの大舞台で頼りにするのは、これまでの主力選手たちだろう。特に4-3-3の中盤でトライアングルを形成するMFジャクソン・アーヴァイン、MFアーロン・ムーイ、MFアイディン・フルスティッチの3人はチームの生命線になる。
アジア最終予選などではポゼッションしながらの崩しも披露していたが、ワールドカップ本大会でフランス代表やデンマーク代表を相手にボールを支配できるほどのクオリティはない。そんな状況でムーイやフルスティッチが繰り出すカウンターの起点となるパスやセットプレーにおける精度の高いキックは、ゴールへの最短経路になるはずだ。
また、FWマーティン・ボイルやFWアワー・メイビルらウィンガー陣の積極的な仕掛けもチャンスメイクにおける重要な要素になる。カウンター時に彼らがサイドへ抜け出して、スピード勝負で競り勝ち、ゴール前のストライカーにラストパスを届けられれば勝利への道が開ける。
夏に所属先探しに苦労して復調が間に合わなかったMFトム・ロギッチや、アジア予選でディフェンスラインの主軸を担っていたDFトレント・セインズバリー、9月に代表引退を撤回して復帰要請を受けた名古屋グランパスのGKミッチ・ランゲラック、そしてセレッソ大阪で復活したFWアダム・タガートなど、落選した選手の顔ぶれには驚きも多かった。特にカタールのクラブでプレーしているセインズバリーの選外は、大きなサプライズだと言えるだろう。
代わりに若い選手たちにチャンスを与えたアーノルド監督の決断は吉と出るか凶と出るか。新戦力を加えた状態でのチーム作りにも注目だ。