アーセナルがチェルシーの攻撃を無効化できた理由
この試合でアーセナルが明らかにチェルシーを上回っていたのが、プレスと走力の部分だ。仮にボールを失ったとしてもアーセナルの選手は前線、中盤とポジション関係なく即時奪還を目指して猛烈なカウンタープレスを掛けていた。
これに対してチェルシーはかなり苦戦した。決勝点が生まれたコーナーキックのきっかけとなったのも、アーセナルカウンタープレスによるものだった。
61分、チェルシーは最終ラインからチアゴ・シウバがビルドアップを展開しようと試みるも、受け手を見つけることができず、自らドリブルで運んだ。これに対しアーセナルのFWガブリエウ・ジェズスは猛烈なスプリントでシウバの背後からプレスを掛け、ボール奪取することに成功。ゴールネットこそ揺らせなかったが、その流れからシュートまで持ち込みコーナーキックを獲得。そして先述した通り、このコーナーキックから決勝点が生まれた。
この一連の流れを筆頭にアーセナルのプレスは冴えわたっており、逆に攻略できなかったチェルシーは特に後半、イージーなボールロストを連発してカウンターを食らう場面が多かった。
チェルシーからすると痛恨だったのは、マテオ・コバチッチを先発起用できなかったことだろう。相手選手に囲まれようが、抜群のテクニックとキープ力でボールを持ち運ぶことができるこのクロアチア代表MFは、これまで何度も相手のプレスを打開してきた。しかし、この試合では軽傷を負っていたため先発起用することができず、代わりにスタメン起用されていたルベン・ロフタス=チークのパフォーマンスも微妙だったため、彼の不在が大きく響いた結果となった。