ワールドカップ後の日本代表に大迫勇也は…
選ばれた選手たちが怪我を負うか、あるいは病気にかかった場合に入れ替えの対象となるバックアップメンバーに断りを入れた大迫は、自らの意思でカタールワールドカップ出場につながる道を断った。しかし、代表復帰そのものの可能性をゼロにするとは考えていない。
「カタール大会が終われば、代表も一からのスタートになりますが」
取材エリアでこう問われた大迫は「そうですね」とうなずき、そしてこう続けた。
「監督が変われば、選ばれる可能性はあるんじゃないですかね。はい」
長く代表の最前線で戦ってきたプライドがそう言わせたのか。それとも、過去の大会と同じく、若手を中心にスタンバイするべきだという哲学があるのか。バックアップメンバー入りを断った理由は、選ばれた選手の怪我を望みたくない、という言葉だけでは片付けられない部分もある。
あるいは「監督が代われば――」というくだりからは、森保監督へ向けられた意地の類も垣間見える。ちょっとした謎を残しながら、大迫は通常よりも長いオフに入った。胸中に「ゆっくり休んで、もう一回体を整えて、そして鍛えて」と個人的にも捲土重来を期す青写真を描きながら。
(取材・文:藤江直人)
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