盟友が語る落選後の大迫勇也の姿
大迫と同じ1990年度生まれで、日本代表でも共闘してきたチームメイトのDF酒井高徳は、雄々しくはい上がってきた大迫を表現する上で「リスペクト」という言葉を何度も使った。
特に終盤戦で見せたパフォーマンスは、大迫がかつて言及した代表選出の条件を満たしていた。メンバー発表前で最後のリーグ戦となった10月29日の川崎フロンターレ戦には、森保監督自らも視察のために足を運んだ。試合には敗れたが、大迫はフル出場を果たしている。
「いろいろな考察が入るようなメンバーだったかな、と。知っている選手が入り、あるいは外れたりして自分なりにいろいろと思うところはありましたけど、メンバーそのものに関して僕がこの場で言うことはひとつもないので。そこへのコメントは避けたいと思います」
大迫の件を含めて、酒井が森保ジャパンに言及したのはマリノス戦前日の4日だった。2大会連続で代表に名を連ねた前回ロシア大会後に、所属クラブに専念するために代表引退を表明している酒井は、盟友でもある大迫への思いを問われるとこんな言葉を紡いでいる。
「僕としては特にサコには何も言っていないし、言う必要もないし、普段と同じように変わらずに接しているし、本人もそう過ごしている。もちろんショックだったと思うけど、サコはそういった姿をまったく見せない。悔しさをバネに変えられる選手だし、翌日からは普通に練習しています」
復活を遂げてきた軌跡は、代表落選というマイルストーンをへても輝きを失わず、神戸が捲土重来を期す来シーズンの戦いへと続いていく。大迫のなかで脈打つプロフェッショナリズムを信じているからこそ、酒井をはじめとする周囲も余計な言葉をかけなかった。