基本フォーメーション
北中米カリブ予選までは4バックと3バックを併用してきたが、6月シリーズからは4バックを基本としている。ニュージーランド代表と対戦した大陸間プレーオフも4-4-2の布陣で突破し、9月の韓国代表戦やウズベキスタン代表戦も同じシステムで戦った。
チームの軸となっているのは2014年のブラジルワールドカップでベスト8進出に貢献したGKケイラー・ナバスやMFセルソ・ボルヘス、DFオスカル・ドゥアルテ、FWジョエル・キャンベルといったベテランたち。カタールワールドカップ後に現役引退を表明しているMFブライアン・ルイスも含め、経験豊富な彼らの存在は大きい。
一方、若手の登用も急激に進んでいる。ルイス・フェルナンド・スアレス監督は9月にA代表デビューさせたばかりの選手もカタールワールドカップに連れていくことを決めた。中にはコスタリカ代表歴が2試合しかない選手もおり、18歳から22歳の選手が7人も招集された。
注目は9月の韓国代表戦で2得点を挙げた、チーム最年少18歳のMFジェウィソン・ベネットだ。左ウィングを主戦場とするレフティーは、ゴールの匂いを嗅ぎ分ける野生的な感覚を持っており、自らの突破でチャンスを作るだけでなく、相手の隙を見逃さずゴール前へ飛び込んでいく勇敢さも持ち合わせている。
チームとしての戦術はやや消極的で、自陣に4-4-2のブロックを敷いて耐える守備が基本になる。高さのある選手が少ないこともあって、ボールを奪った後はカウンターよりポゼッション。センターバック2人から丁寧にパスをつないで左右どちらかのサイドに展開しようとする。しかし、9月シリーズではこの組み立ての局面で選手同士の距離感が悪く、攻撃が満足に機能しないまま韓国代表にもウズベキスタン代表にも押し込まれ続けた。
スアレス監督はビルドアップの課題をワールドカップ本大会までに解決できるだろうか。むしろ前線のアタッカーのスピードを生かした直線的なカウンターで作り出せる数少ないチャンスに望みをかける方を選ぶか。付け入る隙はあるが、不気味な怖さを秘めたチームではある。