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Jリーグ 2年前

谷口彰悟に溢れた感情とは? 3連覇を逃した川崎フロンターレにあった「過去との差」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

追いつかれた川崎フロンターレが見せた意地



 後半16分に橘田が森重真人から相手ゴールライン際でボールを奪取。そのまま中に蹴り込んだボールをマルシーニョが決め切り、再び1点をリードする。

 これで少しゲームが落ち着くかと思われたが、FC東京もホーム最終戦の意地を爆発させる。迎えた後半29分、途中出場の紺野和也の右からの巧みなサイドチェンジに左サイドを駆け上がった渡邊凌磨が反応。その折り返しをアダイウトンが仕留め、またも試合を振り出しに戻す。さすがに2度追いつかれる展開は川崎も想像していなかったはずだ。

 壮絶な点の取り合いになった一戦はこのまま終わらなかった。直後の後半30分に車屋が入れたクロスを渡邊がクリアしきれず、まさかのオウンゴールを献上。これで川崎は3-2と3度目のリードを奪い、勝利に大きく近づいたのである。

 この時点ではマリノスが3-1でリード。鬼木監督や選手たちには情報は入っていなかったものの、3連覇達成は厳しくなりつつあった。が、「自分たちが勝たなければ何も始まらない」という強い意思を彼らは最後まで見せ続ける。終盤には山村和也も投入し、5バックにして守りにいった。そうすることが王者の座を守ることにつながると全員が信じて一体感を持って戦い続けたのだ。最終的にマリノスが勝利し、3連覇の道は断たれたものの、彼らはリーグ屈指の強豪らしい意地とプライドをピッチ上で示したと言っていい。

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