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水沼宏太「諦めずにやってきてよかった」。父もプレーした横浜F・マリノスで万感のJリーグ初優勝

text by 編集部 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】



水沼宏太、横浜F・マリノスでJリーグ初優勝!

 明治安田生命J1リーグ第34節が5日に行われ、ヴィッセル神戸に3-1で勝利した横浜F・マリノスが3年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた。



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 試合が終わった瞬間、途中交代でベンチに下がっていたMF水沼宏太はピッチの脇で泣き崩れた。セレッソ大阪からマリノスに復帰して3年目。愛するクラブで、逃し続けてきたリーグタイトルをついに手中に収めた。

「子どもの頃から夢見てきたリーグ制覇を、一度離れたマリノスで達成できたのは、自分の中ではすごく感動的でした。これまで諦めずにやってきてよかったなと改めて感じることができましたし、何とも言えない感情がこみ上げてきた。仲間たちと一緒に戦ってくださった(ファン・サポーターの)皆さんに本当に感謝だなと思います」

 横浜F・マリノスユースから2008年にトップチーム昇格を果たした水沼だったが、なかなか出場機会を得られず、2010年途中から栃木SCへ期限付き移籍することになった。その後はサガン鳥栖、FC東京、セレッソと渡り歩き、再びマリノスのユニフォームを着ることはないかと思われていた。

 そんな中、2020年にマリノスから移籍オファーが届いて10年ぶりに復帰。「一度離れたマリノスに戻ってくるなんて考えていなかった未来だし、(復帰する前は)マリノスでまさか優勝するなんて思ってもみなかったです」と水沼は語る。

 だが、帰ってきたからには自分がマリノスをタイトルに導く。クラブの新たな歴史を作る。その強い覚悟がついに結実した。

「もちろんマリノスに帰ってきたからには絶対にこのクラブを日本一にする、リーグタイトルを手にするぞという気持ちでやっていました。実際にこうやってタイトルを獲ることができたのは本当に幸せだと感じます。夢とか希望とか、いろいろなものを見てくださる方にも届けられたのかなと思いますし、自分自身も諦めずにやってきてよかったと思います」

 マリノスのレジェンドでもある父・水沼貴史氏は、Jリーグでの優勝経験がない。ユニフォーム背中のネームを「KOTA」から「MIZUNUMA」に変えた今季、トリコロールの背番号18は偉大な父を超えて、クラブ史に再び「水沼」の名を刻んだ。

「今年(ユニフォームの)名前を変えたのも、自分にプレッシャーをかけてやっていこうという気持ちにもなっていたから。そういう意味では、『水沼』という名前をマリノスのクラブの歴史の中にしっかり残せたかなと思います」

 自分と向き合いながら、常にチームのために行動しつづけた水沼のリーグ優勝への貢献の大きさは計り知れない。表彰式でチームメイトに促されてシャーレを掲げた姿が、信頼の証だ。神戸戦でも全3得点に絡んでマリノスを高みに導いた32歳は、これからも「最高な仲間たち」とともに走り続ける。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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