ポステコグルー監督のCL総括とは
今季のCLでグループステージを突破した日本人選手は、アイントラハト・フランクフルトに所属するMF鎌田大地とDF長谷部誠だけだ。代表引退を表明している長谷部は別として、今の日本代表における鎌田の立ち位置と、セルティック勢3人の立場の違いは、日頃のプレー環境や競争のレベルともリンクしている部分があると言えるだろう。
セルティックを率いるアンジェ・ポステコグルー監督は「我々の選手たちに、これ以上何も求めることはできない。彼らはできることをやった」とマドリー戦を総括した。
大量リードの終盤の時間帯を、マドリーは負傷から復帰したばかりの選手たちの試運転に使った。今季の公式戦出場が全くなかった選手も起用したし、両センターバックを入れ替えるという大胆な交代も実践した。セルティックは負けるべくして負けた。それが現実である。
もしかすると10回戦って1回は勝てるかもしれないが、そんなラッキーパンチはマドリー相手にはほぼ通用しない。ホームでは0-3、アウェイでも1-5と敗れた事実が、両者の間にあるギャップの大きさをよく表している。
ポステコグルー監督は自身初の大舞台での6試合を終えて「CLのレベルに関して学んだことは、毎年本戦に出場して、毎年強くなる必要があるということだ」と総括した。やはり5年ぶりのグループステージ出場で決勝トーナメントに進めるほど、CLは甘くない。
セルティックはグループステージ最下位で敗退となったため、UEFAヨーロッパリーグ(EL)に回ることもできない。今季の残りは全て国内での試合になり、まずはリーグ連覇と来季のCL出場権獲得を目指すことになる。
欧州最高峰の戦いの中でリアルな「差」を突きつけられた日本人選手たちは、それをいかにして今後の成長につなげていくだろうか。与えられた環境の中で試行錯誤を続け、どのように進む道を見つけていくか注目していきたい。
(文:舩木渉)
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