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すんなり喜べないバルセロナの勝利。レバンドフスキ依存の先にある落とし穴とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

誰もが認めるレバンドフスキの活躍

 期待の新戦力として獲得したFWがゴールを量産しているのだから、一体何が問題なのか、と思われるかもしれない。このバレンシア戦でゴールを決めたことで、ラ・リーガでは12節を終えた段階で、“レヴィ”は既に13ゴールを記録した。1試合につき1ゴール以上のペースで決めており、チームの総得点29のうち実に半数近くを、ミュンヘンからやってきたポーランド代表FWが決めている、ということになる。

 現状、レバンドフスキの獲得は大当たりだし、名実ともにバルサのエースFWであることは、カタルーニャに住む誰もが認めるところだろう。

 しかし、ここに“落とし穴”が潜んでいるのではないか。これだけレバンドフスキが得点源として確立されてしまうと、困った時はレヴィに預けてしまおう、というサッカーになりかねない。本来のバルセロナが持つバルセロナである所以の機能美や連動性はさておき、やがてサイドに散らしてウイングからのクロスの単調な放り込みに終始してしまう可能性も秘めている。

 実際、このバレンシア戦では、個々の選手は緩いプレッシャーの中でプレーできたが、例えばレアル・マドリードが得意とするボックス近辺でのワンツーやダイレクトプレーを活かした連動した攻撃は見られなかった。

 そういった攻撃における連係面は、今回のバレンシア戦に限らず、そもそもシャビ・バルサではまだ確立されていない点だ。そのような課題を放置したままでいると、皮肉なことにレバンドフスキにボールが集まり、ポーランド代表FWはさらにゴールを量産し、ますます“レヴィ頼みのサッカー”になってしまうだろう。

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