「あれが日本を代表するストライカーだな」
それでも、90分フル出場した背番号10がケガから完全復活したのは間違いないだろう。吉田監督も「前線で起点になっていて、いいパフォーマンスをしている。個人的にはW杯で十分に戦える状態だと思います」と太鼓判を押していた。
大迫と同い年で、長年一緒に日の丸を背負い続けてきた山口もこう強調していた。
「サコはもう全然問題ないかなと。ACL前にケガをするまでは抜群によくて、そこから少し離脱したけど、途中から出てきた中でも存在感を出して、大事なところで点を取ってくれた。『あれが日本を代表するストライカーだな』っていうのはすごく感じましたし、代表のトップもサコかなと思う。チームの雰囲気、スタジアムの雰囲気をガラリと変えられるものを持ってるし、そこはやっぱりさすがだなと感じますね」
山口にしてみれば、同じロンドン五輪世代の生き残りである大迫と酒井宏樹にはカタールで光り輝いてほしいという強い思いがあって当然だ。大迫自身は何も語らずにスタジアムを去っていったが、仲間たちの気持ちはひしひしと受け止めているはずだ。
今年はケガ続きで、2月のサウジアラビア戦以来、代表からも遠ざかり続けた。しかし今は自身3度目の大舞台で日本を勝利へと導く覚悟と決意を固めているに違いない。あとは森保監督の判断次第。運命の日である11月1日が待たれるところだ。
(取材・文:元川悦子)