完全復活? 大迫勇也の鋭さ
0-1で折り返した後半。神戸は巻き返しに打って出る。その火付け役となったのが、7月に加入した小林祐希。開始6分に得た長い距離のFKを得意の左足で見事に沈め、いち早く同点に追いついたのだ。
「(神戸で)試合に出始めてから5~6試合で4回くらいは直接FKがあったんで、さすがに1本くらいは決めとかないと恥ずかしいなと。まあよかったです」と本人も言う。
その同点弾とともに、小林と大迫が守備の仕方を変えたことも、後半のリズムの変化につながった。「後半からサコ君にCB2枚を追ってもらい、僕はアンカーのところを見る形にしたらうまくハマった。守備のやり方を変えたら攻撃もハマり始めた感じです」と小林は前向きな変化を口にする。
そうなれば、大迫にボールが入る回数も増える。最たるシーンと言えるのが、後半12分に小林祐希からスルーパスが通った場面。車屋紳太郎の背後を取ってゴールに突き進んだが、守護神のチョン・ソンリョンの対応が早く、シュートには至らなかった。が、こういった抜け出しの鋭さが出てきたのは朗報以外の何物でもない。
森保監督も「後半にボールが入った時には彼のよさである、前線でボールを収めて起点になって周りを生かすというプレーが出せていた。本人も思い切ってプレーできるようになってきている」と強調。11月1日に発表されるW杯メンバー入りに大きく前進したと言っていいだろう。
彼ら攻撃陣の活性化が神戸の勝利につながれば御の字だったが、やはり川崎の勝負強さは一枚も二枚も上。後半34分に小林悠がペナルティエリアギリギリのところで小林友希に倒され、オンフィールドレビューの結果、PKに。これを名手・家長が坪井に触られながら押し込み、2-1で勝利。川崎は3連覇の可能性を残すことに成功した。逆に神戸は7試合ぶりの敗戦。順位も12位に下がり、大迫自身も不発と不完全燃焼感の残る結末となってしまった。