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アーセナルは最悪だった。逆効果のアルテタ采配、相性最悪、戦犯となったのは…【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

嚙み合わせが悪かった選手たち


 エンケティアが中央で起点となれなかったため、自然とサイド攻撃の割合が増えたアーセナルだったが、これもPSVに致命傷を与えるほど効果のあるものではなかった。

 左WGのガブリエウ・マルティネッリは、この試合で最多のボールロスト(18回)を記録するなど持ち味のドリブル突破で違いを作ることができず、前半には決定機を外すなどチャンスに関与できなかった。(データは『Sofa Score』を参照)

 右WGで先発出場したファビオ・ヴィエイラは、ブカヨ・サカのように左利きでも縦に仕掛けることができるスピード溢れるウインガーではないため、基本的には内側へのカットインしか選択肢がない。このようなタイプのWGを起用する場合は、その大外を駆け上がる選手とのコンビネーションが重要になるのだが、右SBで先発出場した冨安健洋は頻繫にオーバーラップをする選手ではない。この2選手の補完性もあまり感じられなかった。

 そしてこの試合に限ってはグラニト・ジャカも目立たなかった。ベストメンバーの試合であれば、ジャカが左のハーフスペースを駆け上がってチャンスを演出したり、ゴール前に飛び込んだりして攻撃参加をするのだが、今節アンカーのポジションに入ったのは主力のトーマス・パーティではなく、アルベール・サンビ・ロコンガだった。

 ロコンガは運動量に乏しく、守備範囲もトーマスと比較するとかなり狭いため、ジャカが守備面でサポートする必要があった。その結果プレーエリアが低くなってしまい、攻撃面で違いを作ることができなかった。

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