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工藤壮人を支えた両親の想い。「壮絶な苦労」と信念で掴んだプロ入りまでの足跡【追悼コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

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10月21日、テゲバジャーロ宮崎に所属する工藤壮人さんが逝去した。かつて「飛び抜けた特徴がない」と自らを評した男は、サッカーへの情熱と家族や周囲の支えで輝かしいキャリアを掴んだのだった。書籍『僕らがサッカーボーイズだった頃2』で本人や関係者を取材した元川悦子氏が、偉大なる彼の足跡を振り返る。(取材・文:元川悦子)※本文一部敬称略


「真面目で誠実で、努力を惜しまない」工藤壮人

【写真:Getty Images】

「僕は(2013年の)東アジアカップ(韓国)にともに参加したし、ロンドン五輪予選の最後の方も一緒だった。工藤はホントに誠実で、体のこともケアしていたし、チャレンジ精神を持っていろんな環境に挑戦した選手。正直、(訃報を聞いて)言葉も出なかったですけど、彼の性格を考えたら『元気出してください』って言いそうな気がするので。僕ら残された選手は前向いて走るしかない。工藤はハードワークがウリな選手だったし、プレーできる幸せを噛みしめながらやらないといけないと思いました」

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 権田修一が沈痛な面持ちでこう語った通り、10月21日の32歳の現役トップ選手の訃報にサッカー界全体が悲しみに包まれた。彼と関わった人々が口を揃えているが、工藤壮人という選手は本当に真面目で誠実で、努力を惜しまない人。高みを目指して地道にトライし続けられる人。それは本人も語っていた点だ。

「僕は飛び抜けた特徴がない選手。足が速いわけでも、華麗なテクニックを持っているわけでもない。そういう選手でも頑張って体を張ったり、決めるべきところでゴールを決めていれば、確実に成長できる。プロにもなれる。そう信じて努力してきたんです」

 そんな彼の足跡を今一度、振り返ってみることにする。

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