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また尻すぼみ…。なぜアーセナルは後半に失速するのか。マイナスの要素なのは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

なぜアーセナルは後半にかけて尻すぼみになるのか



 アーセナルが後半にかけて尻すぼみになっていくのはこの試合に始まったことではない。ミッドウィークのPSV戦こそ後半にギアを上げたが、10月14日のELボデ/グリムト戦、10月16日のリーズ戦はいずれも今節と同じような展開だった。この2試合はいずれも1-0の勝利を収めているが、どちらも後半はシュート2本(枠内シュート0本)に終っている。

「直近4試合中3試合で後半の枠内シュートが0本」になっている要因の一つが、「ベンチに流れを変えることができる存在がいない」という問題だ。本来であれば昨季、途中出場から多くの得点に絡んだエミール・スミス=ロウというジョーカー的な選手がいるのだが、同選手は残念ながら現在長期離脱中である。

今節は攻撃的な選手で言うとエディ・エンケティアとファビオ・ヴィエイラの2選手が後半に投入されたが、前者はグラニト・ジャカらからの楔のパスを収めることができず、後者は横パスが引っかかって被カウンターの起点となるなど、彼らの投入はチームにプラスを与えるどころか、マイナスの要素にしかならなかった。

アーセナルの長年の課題であるスタメンと控え選手の差はプレミアリーグで首位を走る現在も改善されておらず、ELと併用して戦う今季も思い切ったターンオーバーをすることができていない。そのため主力選手の疲労の色は次第に濃くなっており、開幕直後は大量得点での勝利が当たり前だったが、直近の公式戦4試合は全て1ゴールに留まるなど調子を落としているのは明らかだ。

 こうした状況でもアーセナルの週2ペースの過密日程はカタールワールドカップ直前まで続く。リーグ中断まで残り6試合。そろそろ足をすくわれてもおかしくはない。

(文:安洋一郎)

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