苦境を救ったバルセロナFW
この“苦境”に風穴を開けたのは、レバンドフスキだった。31分、後方のペドリからのボールを左サイドでジョルディ・アルバがダイレクトでゴール前に入れたボールを、右足ヒールで後方にトラップ。ラウール・アルビオルとパウ・トーレスのCB2人を一気にかわし、振り向きざまにシュートを決めた。
さらに34分には、ガビからボックスの左の角でパスを受けると、巻くようにシュートを打ってゴールの右に決める。瞬く間にエースFWが2ゴールを決め、バルサを“苦境”から救った。
勢いを取り戻したバルサは、さらに39分、レバンドフスキのポストプレイから、ガビ→左のフェラン・トーレスと繋ぐと、折り返しをゴール前に侵入してきたファティが詰めて3点目。クラシコの敗北の後で淀んだ状態が嘘だったかのように、3-0のスコアで前半を折り返し、後半も敵に得点を許さず、ビジャレアルに快勝した。
しかし、この快勝を手放しで喜んでもよいのだろうか。
今回のビジャレアル戦に限らず、10節を終えた段階でここまでのリーガ及びCLの試合を振り返ると、次のような“傾向”が見えてくる。
国内の相手であれば、多少はサッカーが雑でもポゼッションとカウンター・プレスが機能してゲームを支配し、個の力で相手を打ち崩すことができる。しかし、CLでの強度が上がる試合となると、チームとしての完成度に粗が見え、勝ち切ることができない。要するに、バルサ=リーガ以上CL未満、ということだ。