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冨安健洋がまたエースを黙らせた。アーセナルを勝利に導いた見事なパフォーマンス【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 阿部勝教 photo by Getty Images

冨安健洋が攻守で躍動


【写真:Getty Images】



 公式戦4試合連続での先発出場となった冨安のパフォーマンスは見事だった。

 的確なポジショニングと丁寧なパスで試合の組み立てに関与すると、11分には相手DFの裏へ走ったサカへのピンポイントのパスを配球。その直後には相手DFのクリアをヘディングでジェズスへ繋ぎ、決定機を演出していた。

 さらに30分や35分の場面など、絶妙なタイミングでの攻撃参加も効果的だった。70分の場面では、後ろ向きでボールを受けたウーデゴールが前を向いたタイミングでスピードを上げてパスを引き出している。アーセナルはペナルティーエリア内で数的不利だったが、冨安はフリーのジャカを見逃さず、正確なクロスで決勝点をお膳立てした。

 また守備面でも圧巻のパフォーマンスを披露した。8分に裏へ抜け出そうとしたコーディ・ガクポを抑えてボールを外に出させると、29分にはトラップ際に瞬時に寄せてドリブルをディレイ。55分には厳しいマークで前を向かせずボールを下げさせるなど、今季エールディビジで10試合9得点7アシスト、ELでは3試合3得点1アシストを記録しているPSVのエースを完封し、シュート「0」に抑え込んだ。

 冨安によりガクポが機能しなかったため、PSVの攻撃は沈黙。グループリーグ第2節を5-1、第3節を5-0で勝利していたが、この試合では90分通してわずかシュート4本に終わっている。

 今回のPSV戦は、相手のエースを黙らせ、決勝点をお膳立てした冨安が勝利に導いたと言っても過言ではないだろう。

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