久保建英の前に立ちはだかった大きな壁
日本人レフティーが影を潜めたもう1つの理由は、セルタDFジョセフ・エイドゥーの存在だ。
4バックの右センターバックを務めたこのガーナ人は、久保を徹底してマークしていた。何度か長いボールがセルタ最終ラインの背後に流れ、久保とエイドゥーの競争になることがあったが、久保は抜群の身体能力を誇るCBに全敗。71分には、久保がドリブルで敵陣深くに侵入しようとしたところ、エイドゥーに体を入れられ潰されており、日本人MFは「参りました」と言わんばかりにピッチに大の字になって倒れた。
71分のシーンは、プレーにある工夫を施しても良かったかもしれない。その時点ですでに2回ほどエイドゥーに競り負けていたので、カウンターという状態ではあったものの、直線的に勝負するのではなく、あえて外に逃げながらボールを隠し、時間を作るという選択肢があっても面白かった。
エイドゥーに「フィジカル」という弱点を丸裸にされた久保。今後も厳しいマークに遭うと予想される中、やはりこうした部分は強化、または工夫して改善していかなければならない。厳しいセルタ戦だったが、今後のレベルアップを考えれば貴重なものになったと言えるかもしれない。
(文:小澤祐作)
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