リベンジに燃える満田誠
ただ、本人たちにしてみれば「自分さえ決めていれば…」という思いは拭い切れないものがあるはず。特に自分のひと蹴りで試合を決めることができた満田の方は、勝負の厳しさを改めて強く感じたに違いない。
「この悔しい経験はサッカーでしか返せない。切り替えて次にルヴァンカップの決勝があるので、それを獲得できるように全力を尽くすしかないと思います」と本人は必死にメンタルを切り替えようとしていた。
確かに、10月22日にもう1つのファイナルがあることは、彼自身にとって救いだろう。そこで初タイトルを取れば、ルーキーイヤーをいい形で終われる。そうなれば、天皇杯を逃したダメージも最小限にできる。そういった形で終わることが、若きエースに託されたノルマなのだ。
「やっぱり個人としても、チームとしても、もっと前半から思い切ってチャレンジすることが大事になってくる。一発勝負のトーナメントなので、先制点がすごく大事になってくる。もっと思い切り攻撃に行ったり、シュートを打ちに行く姿勢が必要だと思います」
1週間後の次戦に向けて闘志を燃やした満田。彼が推進力を発揮しなければ、広島の攻撃は活性化しない。スキッベ監督が大きな信頼を寄せる男には、今回の挫折を糧に、ここから這い上がってほしいものである。
(取材・文:元川悦子)
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