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アーセナルの攻撃が機能しなかった3つの理由。共存が難しい2人とは?【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

共存が難しい2人の選手



 大前提として、慣れない人工芝のグラウンドでのプレーだったことも多少の影響はあるだろう。ノルウェーはあまりの寒さから芝が育ちにくい環境にあり、天然芝でのプレーに慣れているアーセナルの選手と人工芝のグラウンドを本拠地としているボデ/グリムトの選手を比較すると明らかにホームの選手に分がある。

 だとしても先述した通り、今節のアーセナルはあまりにも攻撃が機能していなかった。その理由はいくつか考えられる。

 一つ目の要因はマルティン・ウーデゴールとファビオ・ヴィエイラのインサイドハーフの相性の問題だ。両者が同時にピッチに立つのは前回のボデ/グリムト戦に続いて2度目であり、共に先発に名を連ねたのは今節が初めてだった。

 2人とも左利きのプレーメーカータイプの選手で、カットインの形から味方選手を活かしながらチャンスを演出することを得意としている。今節の場合は右のインサイドハーフにウーデゴール、左のインサイドハーフのヴィエイラが入ったのだが、後者は明らかに窮屈なプレーに終始した。

 ミケル・アルテタ監督はヴィエイラに対し、従来グラニト・ジャカが行っているようなハーフスペースを駆け上がる動きなど、積極的にボールを引き出すことを期待していただろう。しかし、この若きポルトガル人MFは「味方に使われる選手」ではなく「味方を使う側の選手」であり、ジャカのようなオフザボールの動きは全く見られず、大半の時間で試合から消えていた。

 逆にウーデゴールがベンチに下がった70分以降は徐々に存在感が増しており、両者のキャラクター被りと同時に起用したときの相性の悪さが顕著になる結果となった。

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