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左SB・冨安健洋が発揮した持ち味とは?なぜアーセナルはリバプールに勝てたのか【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

4つのスタッツでチーム1位となった冨安健洋


 この試合では怪我のアレクサンドル・ジンチェンコ、ミッドウィークに先発出場したキーラン・ティアニーに代わり、冨安健洋が左SBのポジションに入った。UEFAヨーロッパリーグ(EL)では2試合先発に名を連ねていた冨安だが、このビッグマッチで今季プレミアリーグ初先発を飾った。

 試合後にミケル・アルテタ監督は「彼(冨安)は代表で左CBとしてプレーしている様子を見ると、左SBでもプレーできると感じた。左利きか右利きか、私にはわからないからね」と語っており、両足を遜色なく使えることを高く評価されて、左SBでの起用に至ったことを明かした。

 対峙した右WGモハメド・サラーは、プレミアリーグで直近4試合ノーゴール、これまでの8試合2ゴールとリバプール加入後ワーストレベルの成績で、明らかに調子が悪かったのも事実だが、32分にドリブルでかわされたシーンを除けば何もさせなかった。サラーは69分にベンチに下がっている。

 ベンチスタートとなったティアニーも対人守備に優れた選手だが、この日本代表DFは彼にはない“高さ”という武器がある。この試合でもチーム最多の空中戦勝利数(4)を記録しており、持ち味を存分に発揮していた。

 冨安はリバプール十八番の対角線のフィードに対してもポジションを誤ることなく冷静に対処するなど、彼の守備能力の高さが終始光った試合となり、アーセナル公式Twitterによるとデュエル勝利数、タックル数、ボール回収数でもチームトップのスタッツを記録したそうだ。

 冨安を含めピッチに立った全てのプレイヤーが自分に課された役割を遂行したことでリバプールに勝利することができたアーセナル。スタメンクラスに怪我人が続出しなければ、マンチェスター・シティと優勝争いを繰り広げることができる力があることを今節の勝利で証明した。

(文:安洋一郎)

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