ガンバ大阪が見つけた残留への希望
結局、試合は2-0でタイムアップの笛。シュート22対6と猛攻を受けながら、名手・東口中心に死に物狂いで耐え続けたガンバが勝ち点3をゲット。順位を1つ上げることに成功した。
「首の皮一枚つながったと思う。試合中は他会場の結果は知らなかったけど、終わってみたら福岡が勝ってたし、湘南もFC東京に勝っている。もし自分たちが負けてたら、ほぼ『ジ・エンド』に近い状況になっていた。そう考えるとゾッとする。それだけこの勝ちはホントに大きな意味を持つと思う」と昌子もしみじみとコメントしていたが、まさに薄氷の勝利で彼らはJ1残留への道をつなげた。
ただ、今回の3ポイントをラスト2戦に生かさなければ意味がない。
ガンバにとって難しいのは、ジュビロ磐田との次戦が10月29日と21日間も試合が空いてしまうこと。せっかく松田体制で整備を進めた守備組織が機能するようになった時期だけに、続けて試合をしたかった部分もあるだろう。空白期間が生じることでチームがどう転ぶか分からないリスクもあるだけに、慎重に準備を進めていく必要がある。
「この勝利で勢いが出ると思う。泣いても笑ってもあと2試合しかないんで、しっかりこの勝ちをつなげられるように。相手がどういう状況とか関係なしに、今日みたいに1つになって戦うことが大事だと思います」
マリノスのシュートの雨嵐を止めまくったベテラン守護神の言葉をチーム全体が受け止めて、今季残り試合を戦い抜くこと。彼らが希望を見出そうとするならそれしかない。
(取材・文:元川悦子)