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南野拓実に復活の兆し。途中出場で存在感、モナコの左サイドに活路あり?【欧州EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

20分足らずのプレーで3つのチャンス創出



 まずは78分、左サイドでボールを受けた南野はそのままドリブルで中央を持ち運び、右サイドに流れた味方へスルーパスを通す。そのお膳立てを受けたFWケヴィン・フォラントの左足シュートはゴールの上に逸れてしまったが、4点目が決まってもおかしくないチャンスだった。

 88分にはペナルティエリア内左でDFカイオ・エンヒッキからのパスを引き出すと、南野は素早く反転してシュートに持ち込む。角度のないところからではあったが、相手GKに難しいセーブを強いるフィニッシュになった。

 直後の90分にも南野が起点となってチャンスが生まれた。ピッチ中央の右寄りでパスを受けた背番号18は、再び長い距離をドリブルで運んでペナルティエリア手前まで到達すると、相手ディフェンスを引きつけて左に展開。最後はカイオ・エンヒッキが強烈なシュートでゴールを脅かした。

 守備時は4-4-2の左サイドでボールを追いかけ、攻撃になると左サイドのみならず中央や最前線、右サイドにまで幅広く顔を出して積極的にボールに絡む。南野はパスを受けて、出して、動いて、また受けて、出して……と少ないタッチでテンポよくプレーすることで攻撃を前進させていた。相手が10人になって数的優位とはいえ、一連のプレーにはこれまでとは違う躍動感があった。

 直近の国内リーグでも、南野はゴロヴィンとの交代で左サイドに入った。味方が4点リードを作っており、状況はトラブゾンスポル戦と似ていた。しかし、そのナント戦では終盤にかけて相手に押し込まれる時間帯が長くなり、ほとんど効果的にボールに関わる場面がないまま試合終了。不完全燃焼感は強かった。

 シーズン序盤はなかなか勝てずに苦しんだモナコは、9月下旬から4-4-2で安定感を取り戻しつつある。ただ、その中でメンバーの固定化も進んできた。

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