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相手指揮官が語るセルティック日本人3人。南野拓実を指導した男の評価は?【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

展開を象徴していた2失点目と3失点目



 64分の2失点目は、指揮官の発言を象徴しているような流れだった。バックパスで戻ってきたボールを味方につなごうとしたGKハートがパスミスを犯し、相手にカットされ、そのままショートカウンターであっさりアンドレ・シウバにゴールを許してしまったのである。

 左サイドバックのDFグレッグ・テイラーが内側へ絞ってハートからのパスを受けようとしたが、パスコースはそこしかなく、ライプツィヒの選手たちに読まれていた。追い込まれていたとも言えるのかもしれない。

 77分にも長いサイドチェンジを使った速攻からライプツィヒに3点目を奪われた。サイドを駆け上がってきたDFモハメド・シマカンにジョタがついていけず、フリーで折り返されて、最後は再びアンドレ・シウバ。ピッチ全体を大きく使った流れるような攻撃に、セルティックは為す術がなかった。

 前半は赤い雄牛と闘牛士の真っ向勝負のような高速かつ高強度な展開で、普段の国内リーグよりも消耗が大きくなっていたはずだ。そこで“赤牛”ライプツィヒは後半から自分たちでボールを持ちながら展開をコントロールする時間を長くすることを選択した。

 一方、守備に追われる時間が多くなったスコットランドの闘牛士たちは、強度を自分たちでコントロールできないまま消耗していった。前半は10本ものシュートを放てていたのに、後半はわずかに2本。相手ゴール前まで到達する回数が激減していては、失点を重ねる中で逆転への糸口すらつかめない。

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