オリバー・グラスナー監督も賛辞惜しまず
フランクフルトを率いるオリバー・グラスナー監督は、試合後の記者会見で「ワールドクラスのパフォーマンスだった」と長谷部のプレーを絶賛した。
「ボールを持った時にどうプレーすればいいか深く理解しているし、ケインに対しても素晴らしい対応だった。マコトがいれば安全だと、何度でも言わなければならない。ワールドクラスのストライカーと対峙するのは難しいが、彼のプレーは素晴らしかった。今日は並外れて素晴らしいパフォーマンスだったと思う」
トッテナム戦の前日記者会見でもグラスナー監督は「彼を指導する機会を与えられた私はとても幸運だ」と述べるなど、長谷部に対して絶大な信頼を寄せている。38歳のブンデスリーガ最年長プレーヤーを公式戦4試合連続で先発起用しているのも、常に最高のパフォーマンスを発揮する準備ができているとの確信があるからこそだ。
シーズン序盤は不調だったフランクフルトだが、実は長谷部が3バックの中央で先発起用されるようになってから4試合負けなしが続いている。ディフェンスラインで横に並ぶトゥタやエヴァン・エンディカのプレーも、長谷部の存在によって明らかに向上した。ともに23歳の2人の自信に満ち溢れた積極的なチャレンジは直近4試合でわずか1失点という結果にも表れている。
ケインを個で封殺するほどのハイパフォーマンスのみならず、チームメイトにもエナジーや自信を与えて引き上げられるのが長谷部誠という男。9月末の日本代表活動に帯同した際、JFAの反町康治技術委員長は長谷部を“ロールモデルカイザー”と称したというが、これほどぴったりな表現は他にあるだろうか。
常に模範であり、理想的なリーダーでもある。38歳になってもトップクラスで必要とされる理由が、トッテナム戦の内容と結果に反映されていた。
(文:舩木渉)
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